現代社会にひそむ介護業界の闇が、彼に42人もの老人を殺害させた話。
2023年3月24日(金)、映画『ロストケア』が全国ロードショーされます。
映画公開前ですが、映画原作『ロスト・ケア』をネタバレながら、あらすじ・感想・考察を綴ります。
記事の最後には、ロケ地や上映期間の情報も載せています。
誰しもが通るであろう「介護」という道には、知られざる闇が隠されていました。
目次
映画原作『ロストケア』主な登場人物(キャスト)
✔️斯波宗典・犯人(松山ケンイチ)
斯波宗典ヘルパーとして訪問介護の仕事をしながら、認知症患者に狙いを定め、42人もの老人を殺める。
✔️大友秀美(長澤まさみ)
検事である大友秀美は、斯波宗典が犯人であることに気づき、真相を突き詰める。
出典:東映ビデオ
映画原作『ロスト・ケア』あらすじ(ネタバレ)
※以下、結末までネタバレます
斯波宗典(松山ケンイチ)はヘルパーの資格を取り、訪問介護の仕事を始めました。
高齢者の自宅に訪ねては、親の認知症に疲弊している家庭に目星をつけていきます。
その理由は、認知症の老人を殺害するためです。
斯波宗典は過去に、認知症である父親の介護に苦しめられ、父を毒殺していたのです。
介護と両立できる仕事は限られており、斯波宗典はアルバイトで食い繋いでいましたが、三食の飯をまともに食べれなくなり、この日本で「飢え」を体験しました。
斯波宗典は意を決して「生活保護」を申請したものの、福祉事務所の窓口で『働けるから頑張れ』と門前払いされます。
そして気づきます。
この社会には穴が空いている、と。
「少子高齢化が進むこの国には、自分と同じように介護に苦しむ人がいるのではないか」と思い、斯波宗典は介護業界に入ることにしたのです。
結果、42人の老人を毒殺した斯波宗典は、検事の大友秀美(長澤まさみ)にこう語りました。
そうです。殺すことで彼らと彼らの家族を救いました。僕がやっていたことは介護です。喪失の介護、『ロスト・ケア』です
映画原作『ロスト・ケア』感想&考察(ネタバレ)
ロスト・ケアは、「日本の介護問題」に一石を投じた作品です。
『本当に助けが必要な人にお金が回らない』といった現代社会を映し出します。
斯波宗典のように、ある日突然弱者になってしまった人に対して厳しい国だな、と感じました。
認知症は恐怖そのもの
ストーリーには、登場人物が親の認知症に苦しめられている姿が描かれます。
私にとって認知症とは、恐怖そのものです。
小学校4年生のとき、認知症のおばあちゃんから「忘れられた」という経験があるからだと思います。
ドラマでしか見たことがない瞬間に遭遇し、ショックを覚えました。
おばあちゃん家のガスコンロや仏壇には、「火は消す!」という付箋が貼られていました。
うちの母が、家のいたるところに付箋をペタペタ貼っている姿が、脳裏に浮かびます。
ボケ予防に母にブログを勧めた話
家系的にも認知症の気があるオカンは、今年60歳を迎えます。
幼い頃の恐怖がある僕は、ボケ防止として母にブログを勧めました。
少しでも発症率を下げたいし、発症する時期を遅らせたい一心です。
母はまんざらでもなくノリノリでPCを購入したので、少しホッとしました。
※ここからネタバレ
『ロスト・ケア』には、高齢者のお金を騙し取りその金銭を寄付する者、自分と同じように介護に苦しむ人を開放すべく老人を殺める者が描かれます。
この物語の背景にあるのは、『本当に助けが必要な人にお金が回らない』といった介護業界の闇です。
少子高齢化が猛スピードで進むこの国では、ますます介護問題が拡大します。
個人レベルで取り組めそうなものからアプローチし、少しずつ介護に意識を向けようと思いました。
映画原作『ロスト・ケア』作品情報
タイトル | ロストケア |
映画公開日 | 2023年3月24日(金) |
上映時間 | 1時間54分 |
監督
映画『ロストケア』の監督は、前田哲という人。
✔️そして、バトンは渡された
✔️こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話
✔️老後の資金がありません!
これらの作品をつくってきた人。
ロケ地
映画「ロストケア」のロケ地は、長野県の「諏訪市・茅野市・諏訪郡下諏訪町・伊那市」周辺です。
いつまで上映?
映画の上映期間は最初からは決まっていません。
公開されてから、観客動員数や話題性によって決定されます。
推測ですが、映画「ロストケア」の上映期間は、 2023年3月24日(金)〜6月中旬になるかと思われます。