2023年2月10日(金)、映画『エゴイスト』が全国ロードショーされます。
この作品は、男性の同性愛を描く物語。
エゴイストの原作者・高山真 の人生に起きたであろう出来事が土台にあります。
ストーリーの中では、鈴木亮平と宮沢氷魚の恋愛模様が映し出されました。
LGBT(同性愛者)の方だけではなく、「どこかの少数派に属する人」に刺さる作品だと感じます。
この記事では映画原作『エゴイスト』をネタバレながら、あらすじ・感想・考察を綴ります。
目次
映画原作『エゴイスト』主な登場人物(キャスト)
✔️斉藤浩輔(鈴木亮平)
主人公。男性の同性愛者。東京で働く32歳。
✔️中村龍太(宮沢氷魚)
病気を患う母を持つ24歳の青年。浩輔の恋人。
✔️中村妙子(阿川佐和子)
龍太の母親。息子の大切な人である浩輔を優しく迎え入れる。
映画原作『エゴイスト』あらすじ(ネタバレ)
【起】
斉藤浩輔(鈴木亮平)は社会人として、東京で暮らしていました。
最近、お腹がたるみ始め浩輔はダイエットをしようと決めます。
そこで出会ったのは、中村龍太(宮沢氷魚)というパーソナルトレーナー。
浩輔は龍太に一目惚れをしました。
浩輔は幼い頃から男の子が好きな同性愛者。
トレーニング初日、更衣室で龍太と二人っきりになると、浩輔はいきなり龍太にキスをしました。
すると龍太も浩輔の口の中に舌を入れ込みます。
龍太もゲイだったのです。
そして二人は付き合うようになりました。
【承】
浩輔は龍太と初じめてセックスしたとき、違和感を感じます。
どこか濃淡で感情のないような行為から、浩輔はいろんなことを考察しますが、わからないままでした。
二人が付き合ってしばらくすると、龍太は浩輔から距離を置くようになります。
そして龍太は突然、浩輔に別れを告げました。
やはり浩輔は龍太の言動に違和感を感じます。
そして浩輔はネットサイトで、龍太が風俗で働いていることを知ります。
浩輔がわけを聞くと龍太は、「母親が病気を患っていてとにかくお金が必要なんだ」と答えます。
龍太は夜の仕事を恋人である浩輔にはどうしても言えず、つらい思いをしていたのです。
浩輔は月10万渡すから夜の仕事をやめてほしいと言います。
浩輔にはどうしても龍太を放っおけない理由がありました。
浩輔は中学のとき大好きだった母親を病気で亡くしており、何もできなかった自分を悔やんでいました。
浩輔は自分ができなかったことを、必死にやっている恋人をどうしても応援したいのです。
そして龍太は夜の仕事をやめ、二人の絆はより深まっていきました。
【転】
浩輔と龍太、龍太の母の3人は定期的に会うほどの仲になりました。
しかしだんだん龍太の仕事が忙しくなり、浩輔と龍太は会う頻度が減っていきます。
自分が夜の仕事をやめさせたことで、龍太は前以上に働かざるを得なくなったため、浩輔は自分を責めました。
そんなとき龍太の母から一本の電話が入ります。
「龍太が亡くなった」と。
龍太を過労死にまで追い込んだのは紛れもなく自分だ、と浩輔は葬式で泣き崩れます。
実の母には何もできずに死なれ、母を面倒みる龍太をも死なせてしまったと、浩輔は悔やみます。
浩輔は龍太の母に申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
しかし龍太の母親に謝ってしまえば、龍太が同性愛者であったことや、龍太が夜の仕事をしていたことを話さなくてはいけません。
そんな葛藤と戦う浩輔は、どうしようもできず龍太の母に「ごめんなさい」と謝ってしまいました。
しかし息子が浩輔のことを好きなことを、龍太の母はずっと前から知っていました。
斉藤さんのおかげで息子の龍太は幸せでした、と龍太の母は浩輔の肩を抱きます。
【結】
龍太が亡くなってからも浩輔と龍太の母は会い続けました。
浩輔にとって龍太の母は第二の母であり、実の母にできなかった「償い」であり「報い」なのです。
龍太の母にとって浩輔は、息子の龍太を幸せにしてくれた第二の息子なのです。
龍太の母の病気は進行し、龍太の母は浩輔に見守られる中、目をつむっていきました。
映画原作『エゴイスト』感想&考察(ネタバレ)
この映画は “同性愛の自分を許し大切な人を愛し続ける” 一人の人間の生きざまを描く物語です。
ここからは私が『エゴイスト』を鑑賞して感じたことを綴ります。
少数派でいることの生きづらさ
斉藤浩輔(鈴木亮平)は、自分が少数派であることを許容したうえで、自分にとって大切なコトを貫く強さがあった。
協調性や共感力を声高らかに主張するこのうわべだけの社会では、人と異なろうとすると、すかさず白い目が飛んでくる。
浩輔のように自分の気持ちに素直になるということは、
普通に生きるのが難しくなるリスクを伴い、一度は死を考えた人にしか分からない相当な勇気を要すること。
複雑な感情を持つ非常に手のかかる自分を受け入れ生きる、と決意した浩輔だからこそ、龍太や龍太の母のような他の人を許容し優しく包み込めたのだと思う。
出典:fashionpress
私たちが生きるこの社会では、多数派になるか少数派になるかの選択を迫られる。
ワクチンを打つ・打たない、マスクをする・しない、サラリーマンを続けるかフリーランスになるか。
たいていの人は、あたかもその道しかないように平然とした顔で多数派に加わろうとする。
浩輔のように「自分に正直になることを貫いた人」は、漏れなく少数派に弾かれる。
そして8割5分の多数派から叩かれる。
自分を許容し貫き続ける浩輔に憧れるし、なりたいと願う。
鈴木亮平と宮沢氷魚の熱いキスシーン
斉藤浩輔(鈴木亮平)と中村龍太(宮沢氷魚)は、数え切れないほどのキスをする。
なかなか熱く、むさぼるような接物。
フランスでもないこの国では、他人のキスシーンにはほとんど遭遇しません。
そのためか、そんなにむさぼられるとスクリーンの前に座る私はどんな顔で眺めようか、と迷います。
日本映画界が誇るトップ俳優、
「プロやなぁ」と感じました。
鈴木亮平のあとがき
原作小説には、鈴木亮平さんの”あとがき”が綴られていました。
最後に、中学生の浩輔のように自らのセクシャリティを理由に命を絶つ選択を考えてしまうような少年少女が、この国から、この世界から一人もいなくなることを私は願います。
そのためには私を含めた社会全体の意識の変革、教育や制度の改革が必要だと感じています。
その変革への一助に、この本が、この映画がなってくれることを強く願っています。
2022年夏 鈴木亮平
高山真さんは自分のドッペルゲンガーとして、浩輔という人格をつくった。
美化した理想の自分を描いたのか、本当の自分を描いたのか。
すでに亡くなられているため、真相はわかりません。
きっとどちらも正しくどちらも少し違うのだろう、と鈴木亮平さんは語ります。
映画原作『エゴイスト』の作品情報
タイトル | スクロール |
映画公開日 | 2023年2月10日(金) |
上映時間 | 2時間00分 |
監督
映画『エゴイスト』の監督は、松永大司という人。
✔️映画ウォーターボーイズ
✔️トイレのピエタ
✔️ハナレイ・ベイ
これらの映画をつくってきた人。
ロケ地
映画『エゴイスト』のロケ地は、東京都新宿区「新宿末廣亭」周辺です。
いつまで上映?
まず先に言っておくと、映画の上映期間は最初からは決まっていません。
公開されてから、観客動員数や話題性によって決定されます。
ただ私の予想だと映画『エゴイスト』の上映期間は
2023年2月10日〜4月いっぱい
くらいになるかと予想します。
まとめ
🎍新年明けましておめでとうございます🎍#鈴木亮平 さんと #宮沢氷魚 さんによる
✨公開前特別映像✨◤ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
人気コラムニストが綴った、
生涯唯一の自伝的小説の映画化皆様、劇場でお待ちしております
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— 映画『エゴイスト』公式アカウント (@egoist_movie) December 31, 2022
映画原作『エゴイスト』をネタバレながら、あらすじ・感想・考察を綴りました。
どこかの状況で必ず少数派になる私たちが、生きることに勇気が持てるような物語です。
映画公開は2023年2月10日(金)、ぜひ映画館に足を運んでみてください。
この記事が、大切な物語と出会うキッカケになると嬉しいです。